予想以上の成長を見せるトルコ、輸出減を内需拡大により相殺。だが海外投資は資金流出が続く・・・
成長鈍化予測を覆すトルコ第2四半期GDP
トルコ統計局のデータで
トルコのGDPは予想を上回り
第2四半期前年比+3.8%(予想+3.1%)の成長となりました。
第1四半期のGDPデータは
2.3%→2.5%に上方修正され
前半は3.15%となりました。
ゼイベクチ経済相が8/24
2015年のトルコGDPが3%を上回ると声明で述べたように
予想よりもトルコの経済状態が良いことを示した結果です。
といった統計結果がでました。
輸出のマイナスがなければ5%前後の成長であることを考えると
経済だけを見ればけっして悪くない、むしろ良いペースと言えます。
また若い人口の比率が高く、アジアと欧州の中継点であるという地理的優位性も含め
成長へのポテンシャルを秘めている新興国であることは数字からも確認できるように思います。
上記のグラフはトルコのGDP推移(物価調整前)ですが
劇的な成長を遂げていますよね?
IMFの予測でも今後経済成長は続くという予想になっています。
米国利上げが目前に迫っています。
安全で利回りがとれるのではあれば
米国へ資金を還流させようという動きが発生してきます。
実際のところチャイナショックを絡め
トルコリラ円も40ドル割れと厳しい推移です。
トルコだけでなくこれは新興国全体の動きで
その中でも経常赤字を埋めるためのファイナンスを
トルコは証券投資に頼っています。
外貨準備が不足する分を海外からの投資でまかなっています。
つまり逃げ足の速いお金だということです。
内需が強いので輸入は減らない、だが輸出は戻っていないので外貨準備は着々と減り続ける。その代わりのファイナンスは米国の利上げで遠のいている。
これが今のトルコの現状です。
ただ経済成長は続いているという事実もあります。
地政学リスクが落ち着き、米国利上げへの思惑が落ち着けば・・・
あるいは底を打つ可能性はあるのかもしれません。
市場がチャイナショックや米国利上げに興味を失い始めてからが戦いになるでしょうね。
あまりあわてず今は余力を持っていきましょう。
*1:引用:世界経済のネタ帳